高知工科大学紀要 第19巻1号 2023.5.1 より

村井亮介, 高木方隆
要約 筆者らは2019 年4 月から本学の里山研究フィールドで、UAV を用いた植生観測を月に2~4回の頻度で行なっている。UAV による植生観測は、空中から連続したデジタル写真を撮影することで、植生の三次元形状を復元することができる。これまでに3 年分の観測データを取得できたため、観測対象エリアにて樹木成長量の指標となる樹頂点の高さの変化を解析してみた。解析には2019 年から2022 年まで隔年5 月頃の観測データを用いた。樹木の標高データは観測機器やシーンによって誤差が含まれるため、解析の前処理として標高値の正規化を行った。成長量は2019 年からの樹頂点標高値の変化により評価した。その結果、観測対象エリア内では、特にスギの植林の成長量が多く見られ、3 年間で1m 程度の成長が見られた。また常緑広葉樹や落葉広葉樹でも、0.4m 以上の成長が見られた。