連携研究センター

地域公共交通研究室

「地域公共交通室」は、2019年度より「地域交通研究室」に名称を変更しました。
研究室の内容はこちらをご覧ください。

地域に住み続けるために必要な移動手段を、皆の知恵を集めて維持していく

高齢化社会を迎える地方では、公共交通が地域の重要な生活基盤であり、それを維持していくことが地域づくりに不可欠である。その実現のために実践的な研究を行う。


地域ITSの成果(地域道路交通研究室と共通

熊谷靖彦教授の研究室では、これまで10年以上にわたって地方の実情に即したITS(Intelligent Transport Systems)を提起し、具体的な実践成果を重ねてきました。
 中山間の狭隘道路で対向車の接近を検知し警告する「ゆずりあいロード支援システム」は、県内はもとより県外数十カ所でも設置されています。
「道路表示板KLシリーズ」は、高額を要した表示板システムを県内企業の育成により低額化したもので、県内数十カ所に設置されています。
「ノーガード電停の安全対策」を数カ所で実施し安全性の向上を実現しました。この他にも、バス運行に関する改善など様々な実績をあげてきました。
 これらに共通する理念は、都市交通を念頭においた従来型のITS導入ではなく、あくまで地方における住民の要望に根ざしたITSを開拓するということです。その理念をMade in Kochi のKUSANONE-ITSとして海外にも発信し、多くの支持を得るに至っています。
 熊谷教授の退任を承け、2017(平成29)年度より地域交通の課題を「道路交通問題」と「公共交通システムの問題」とに大きく分け、それぞれに独立の研究室が相補的に課題解決の継承に取り組むこととしました。

生活基盤としての公共交通

 人口の減少は、公共交通の減便や路線廃止を招く一方で、公共交通が少ないが故に頼りとしてきた小型自家用車の運転も高齢化によってますます困難になるため、過疎地域の高齢者は買い物や通勤などの日常生活の先行きに大きな不安を抱えています。そのような背景の中で、公共交通の再構築を図ることは、地域社会の未来にとって重要なテーマです。
 地域社会基盤としての公共交通に求められるシステム・計画的側面をさらに追及します。例えば、バス路線の合理的再編や、路面電車の再評価、災害時の公共交通の初動対応など、ハード・ソフトにまたがって幅広く未来の交通基盤のあり方を、地域道路交通研究室と連携して考究します。

研究室長から

 2017(平成29)年度から研究室長に就任した重山です。これまで、新たなバス停の設計や運行系統の見直し、および系統MAPのデザイン等、高知の公共交通問題に取り組んできました。今後も前室長の熊谷の仕事を引き継ぎ、地域道路交通研究室と連携して、高知の公共交通基盤の中心として研究室を盛り立てていきます。

 

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