令和3-5年度 文部科学省 科学研究費補助金 基盤研究(C)
>科研費(C)による研究開発の概要

フェノロジー立体観察概念図
植生のフェノロジー観測(生物季節観測) には、簡易な観測プラットフォームとしてUAV(無人航空機) に期待が寄せられています。しかし、UAV の撮影画像は、光源や地形による影響を補正する必要があります。研究代表の村井助手は高木教授の指導のもと、新たな画像補正手法を開発し、UAV を用いたフェノロジー観測手法を確立しました(村井ら,2020)。
しかしフェノロジー観測の成果は上空からのオルソ(正射投影)画像で表現されており、フジの花など上から観測できない植物イベントは表現できません。そこで本研究の目的は「立体で行う詳細なフェノロジー観測手法を実現する」ことにあり、目的を達成することで精度の高い植生の基礎データを提供できるようになります。
また、立体面にオルソ画像をマッピングする本手法は、体積で増える三次元地理空間データのデータ容量圧縮にも有効です。それによつて、異なる研究分野間で利用しやすい、三次元地理空間データの新しい標準データアーカイブ手法へと展開することが期待できます。