農業林業体験インターンシップ事業「アグリウォッチング」で渡邊高志室長が講演しました

  12月20日(日)、高知県教育委員会が主催する農林業体験インターンシップ事業「アグリウォッチング」に参加した高知県内3校の高校生18名が、本学、地域連携機構 補完薬用資源学研究室 室長/客員教授 渡邊 高志による「有機農業と食のキャラバンの紹介~農医工連携プロジェクト最前線~」を聴講しました。

 

 「アグリウォッチング」とは、先進農家および企業、大学等における農林業体験をとおして、農林業に対する興味・関心を高め、あわせて最新の知識や技術に触れることにより将来の担い手確保に資することを目的とするものです。

 

 講演では、渡邊室長より、高知県は日本に自生する約6,000種の植物のうち3,170種が存在する植物資源の宝庫であることについて冒頭に説明し、植物の持つ力を人々に役立てるために取り組んできた事例をいくつかご紹介頂きました。

  夢の植物の発掘として、現在も高知県で食されている「イタドリ」は、江戸時代の食文化を彩った救荒植物の一つであり、下痢・便秘、熱湯による火傷に効能があることや、世界を変えた資源植物の一つとして、シキミの仲間である「ハッカク」は、肉を軟らかくする香辛料としての利用に留まっていましたが、インフルエンザウイルの増殖を抑える効能があることが分かり、それを機にタミフルが生まれたことについてお話し頂きました。

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  このように、古くから薬食同源といわれ(医食同源はこれにもとづく新しい造語)、食は健康と深い関係にあることが知れれていました。多くの民俗の中で、人間の体に特別な作用を持つ植物は、長い歴史的経験を通して、薬や、あるいは時に毒として認識されるようになり、その作用をより強めたり弱めたりするために乾燥させたり、砕いたり、煎じたり、混ぜたりと、様々な工夫がおこなわれてきました。現在、私たちは、薬といえば錠剤やカプセルなど、工場で合成され作られているというイメージを抱きがちですが、実は、こうした市販の薬の多くも、元をたどれば植物に由来するものであり、時としてどこかの民族の伝統医が昔から用いてきた植物から新薬が生まれることもあるのだと、お話し頂きました。

 

 本講演を聴講した高校生の心に、自然の恵みの素晴らしさ・植物のもつ貴重な力や可能性が伝わることを願ってやみません。