11月11日(月)、本年度第3回目となる、食のキャラバン~四万十川で食と農(能)を考える~を開催しました。
今回は、日本三大清流の四万十川流域の水辺の植物にスポットをあて、四万十市西土佐の農家レストラン「しゃえんじり」で開催し、地元の方を中心とする23名の方々にご参加頂きました。
第1部
第1部の講演では、本学 地域連携機構 補完薬用資源学研究室の渡邊 高志 室長より、高知県は日本に自生する約6,000種の顕花植物のうち3,170種類が存在する植物資源の宝庫であることや、四国の食文化につながる有用植物のルーツなどについてお話頂きました。
第2部
第2部では、黒尊川(四万十川支流)の流れる玖木地区にて、渡邊室長、稲垣客員研究員のガイドのもと、水辺にある植物の散策を行いました。
民間薬として優れた薬効があり医者の役目を奪ってしまうことから別名イシャゴロシともよばれた「キランソウ」、希少糖D-プシコースが多く含まれる「ズイナ」、急性肝炎や胃腸炎、歯痛に用いられる「アケボノソウ」、利尿・排尿痛・消炎解毒・肺炎・急性胃腸炎・黄疸・血管の中のゴミを出す作用のある「カニクサ」など地域に自生する様々な植物に出会うことができました。
第3部
第3部は、食事会です。
農家レストランしゃえんじりさんのご協力のもと、地域で採れた植物(野草)を使ったお料理をご提供頂きました。
ウバユリの鱗茎からとった澱粉でつくった「土佐の飴湯」は植物散策帰りの疲れた体を癒やしてくれました。そのまま食べると辛いタデはモミジ大根にそえ、アユの塩焼きの薬味として使用しました。ほか、レモンエゴマの実をまぜた栗ご飯、ムカゴの山かけツガニ汁、秋の果実・アキグミとガマズミのゼリー~シマサルナシ添え~など、11種類7品を食しました。
参加者からは、身近にある野草が日常の食と変わらない味に仕立て上げられていることに感動や驚きの声があがり、レシピを聞いている方の姿も見受けられました。
第4部
第4部では、四万十市地域おこし協力隊 園木 華氏と本学 地域連携機構 補完薬用資源学研究室 稲垣典年客員研究員より、四万十の植物についてスライドを見ながらセッション形式でご紹介頂きました。
今回は、日頃、飲食業や農業、地域の観光ガイドや活性化に携われている方々にご参加頂き、身近に自生する救荒植物・有用植物について知識を深めるとともに、食文化観光への可能性について議論して頂く場となりました。
ご参加頂いた皆さま、ご協力頂いた農家レストランしゃえんじりの皆さま、四万十地域の方々、ありがとうございました。