フィールド授業

フィールド(野外)授業

日時および開催場所:(全日程ともに13:00~16:00の間で約3時間の授業内容)

第1回 2月19日(日) COMOサロンにて 中部大学応用生物学部教授及び熊本大学留学生(ネパールより)によるセミナー

第2回 2月20日(月) 梼原町での野外散策

第3回 2月21日(火) 梼原町での野外散策

第4回 3月10日(土) 梼原町での野外散策

第5回 3月11日(日) 梼原町「かみこや」にて紙すき体験および卒業証書の作成

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<カリキュラム>
1)龍馬の森植物観察会 講師:稲垣典敏/土佐植物愛好会
2)森林の健康診断 講師:南基泰/中部大学応用生物学部教
4)久保谷渓谷セラピーロードでの植物観察会 講師:稲垣典敏/土佐植物愛好会
5)有用用植物資源として約50種類の観察ノート記録
講師:渡邊高志/公立大学法人 高知工科大学地域連携機構補完薬用資源研究室・教授
6)紙すき体験工房「かみこや」にてワークショップ(卒業証書制作)
講師:紙すき指導:ロギール・アウテンボーガルト客員教授(和紙職人)

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受講者の感想
フィールド授業では、梼原町の自然を満喫しながら、授業に出てきた紙の原料になるミツマタを観察したり、お茶にできる植物などを、実際に採取したり匂いをかいだりと、体験的に学ぶ事が新鮮でした。

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今回フィールドになった梼原町は、高知自動車道路の須崎東ICから、四国カルストに向かって三桁国道の上り坂を車で1時間程かけてたどり着きました。少し目線をあげると山の頂きに風車が周り、一面高い山に囲まれた緑の深い土地でした。北と西が愛媛県に接する県境の町で、四国力ルストの麓に位置しています。四国カルストでは、草原に連立する白い石灰岩が雄大な景観を作り出していました。また、1,000mを超す四国山地に囲まれている自然豊かな里山が維持されています。一方で町の面積の91%を占める森林を活用した木質バイオマスの利用や、太陽光発電、風力発電、小水力発電など、自然エネルギーを活用した街づくりを行っており、2009年1月22日に政府より環境モデル都市に選定された先進的な取り組みを行っています。

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そうした先進的な取組みは森の中にも広がっています。例えば今回植物観察を行った、久保谷渓谷セラピーロードではふかふかしたコケの道やカサカサした落ち葉の道など変化に富み、気持ちのいい散歩が楽しめます。また、およそ100年もの間、水田を潤わし続けている水路と並行しているため、苔やシダなど水辺を好む植物も楽しめました。こうした森林浴のできるセラピーロードを積極的に整備している梼原町はとても素敵だと思います。

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今回始めて“森の健康診断”という森林の評価方法を体験しました。こうした森林の健康診断が必要な理由は、人工林の植栽木の密度が過密な場合、雨水の土壌しみ込みが悪い場合や、貧弱な樹木が増えることがあり、大雨の際に土砂崩れを起こしやすい危険があるからです。例えば過去には、2009年8月9日から10日未明にかけて発生した台風9号による豪雨で、兵庫県の佐用町、宍粟市、朝来市などに、土砂崩れによる大きな被害がおきました。佐用町だけで死者・行方不明21名、全半壊8棟、床上浸水774棟、床下浸水579棟、落橋14カ所などの大惨事に発展したこの大雨の被害原因は台風による大雨に加え、スギとヒノキの放置人工林が原因だったそうです。戦後の拡大造林政策によって、自然の森が植えかえられ、樹木が売れなくなると、日本各地で放棄された人工林が増えました。
実際に受講生と共に梼原の龍馬の森の山腹において,“森の健康診断”を行った結果、梼原の森は健全な植栽管理がされていることが判り,フィールド授業の大切さを知るきっかけになりました。
いつの時代も大きな自然災害の前にはどんな文明も太刀打ちできません。今回のフィールド授業のなかで、梼原町の深い森のなかでよりいっそう自然と上手くつき合うことの大切さを学ぶことができました。

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最終日には野外授業として,ロギール・アウテンボーガルト客員教授(和紙職人)による紙すき体験実習と卒業証書の制作を体験しました。
午後13時より梼原町太田戸の「かみこや」に於いて、楮,ミツマタ,そしてガンピという日本の三大和紙の原料植物を使った卒業証書の制作と紙すきに関する約2時間の実習講義を受けました。卒業予定者5名分の卒業証書の制作にあたって,「かみこや」付近に観られる植物を採集し,紙にすき込んだ作品を制作することになりました。生きた植物の葉や枯れた葉を使って、和紙原料をすきながら上に乗せ,そしてさらに原料を流し乗せながら厚みを出し、重ねて行く作業を繰り返しました。最後に,「龍馬脱藩の道」の土など3種の別々の土を混ぜた紙(楮)の原料繊維を使いました。それから青色の紙(ガンピ)の原料繊維,ミツマタの繊維などを最後に上から薄く幾度か重ねがけして卒業証書の骨格が仕上がりました。参加者の作品は,全て作風が異なり、どれも個性的なものでした。普段では体験できない紙すき体験実習を通じて,植物を学ぶ楽しさと日本の伝統文化と技術を知ることができる一日となりました。制作した卒業証書は,さらにロギール・アウテンボーガルト先生の手により圧搾,乾燥,仕上げという工程を経て,後日無事届くということなので、出来栄えを楽しみにして,紙すき体験工房「かみこや」を後にしました。

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