プランツ・インキュベーション3

「プランツ・インキュベーションコース」:第3回 入門講座

日 時:2012年2月18日(土) 13:00~16:00

場 所:マルニ高知店2F COMOサロン

講 師:John Moore/ 渡邊高志

[プログラム]

①あいさつ/講師紹介,②第1部,③第2部,④第3部

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【第1部】
講師(Lecturer):John Mooreジョン・ムーア /JMA代表(John Moore Associates)
内容: What is power of Roots?
1.根のもつパワーと機能
2.コンパニオンプランツ(2)について
3. 植物を使った事業の考え方

【第2部】
講師(Lecturer):John Mooreジョン・ムーア /JMA代表(John Moore Associates)
内容: Let’s Nature’s genius be!
4. 植物の栄養
5. Nature Geniusな人たち
6.大切な情報は目の前にある

【第3部】
講師:渡邊高志 /(公)高知工科大学地域連携機構補完薬用資源研究室・教授
内容:持続可能な生活環境
1. アレロパシー
2. 生命の種
3.地球環境の指標としての植物の話

本講座は植物を学ぶにあたっての基礎知識を学ぶカリキュラム内容1)~6)になります。1)根のもつパワーと機能,2)コンパニオンプランツ(2)について,3)植物を使った事業の考え方,4)植物の栄養,5)Nature Geniusな人たち,6)大切な情報は目の前にある等にについて。講師のジョン・ムーア先生による前回の講義の復習から話が始まりました。続いて根の力と自然のもつ天才的能力とは何か?という問いかけにより,コンンパニオン・プランツの本質に迫ります。ジョン先生は,植物にしろ,人間にしろ,外見だけでは判断出来ないと,先生のオリジナルスライドを使って話します。見えないところが大切です。植物体のほぼ70%は根であり,土の中の見えない部分に占めます。一つ一つの植物はそれぞれ根の周りに別々の微生物をもっていて,植物を隣同士で植えるときは,その植物同士の相性がよくなければなりません。また,人間が一人では生きていけないように,木々も一本だけでは生きていくことが出来ないと説いています。何百年と続いている森の木たちは,根が絡み合っています。そのため,どれか一本の木が病気になると,一緒に生えている他の木も病気になります。土壌中には虫のフンや空気,微生物,根があります。このうちの何れかが抜けても(一つだけでは),植物は育たないのです。講義の中では,そんな彼の自然に対する潜在能力を通して身近なコンパニオンプランツに関する疑問について対話方式で説いていきます。

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John Mooreジョン・ムーア先生{日本語カリキュラム内容1}~6}と対応}
1. about Nature Genius
2. Nature Companion Herbs
3. Nature Genius: Rhythms and Pattern!
4. WHO?: Tomitaro Makino, Chales Darwin, and Hendry David Thoreau
5. Simplify, Simplify:
6. LOOK: Truly – See – Hear – Feel
7. Basil Monn Light Cycle:
8. GARDEN: Kapa!
9. TAMBO Master:
10. Mr. Bean:
11. Mr. Forest:
12. Mountain Man:
13. Mrs. Hateke:
14. 100% Organic: See you in the garden!
15. ROOT:
16. INVISIBLE:
17. ROOT BALL:
18. HEALTHY SOIL LIFE:
19. FOOD LEVELS:
…………………………………………..
58. AS ABOVE, SO BELOW:
(渡邊記)

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【受講者の感想】
○講義第1部の感想
今日は第3回目のインキュベーションコース。講義第1部は,ジョン先生から植物の根っこの話しをはじめに聞きました。私たちが見ている植物は植物の全体の半分くらいです。本当は根っこの方が大きいからです。植物は土の中で色んな分解動物と微生物と暮らしています。その一例が細菌や菌類など微生物との栄養共生です。共生とは,種類の異なる生物が利益を交換し合って共生している関係です。

植物の共生で非常に有名なのが,マメ科植物と根粒菌という菌類との栄養分の交換です。大豆や空豆などのマメ科植物の根には,こぶのような根粒が付いていて,このこぶの中に根粒菌を住まわせています。植物は光合成で作った糖分などを根粒菌に分け与える代わりに,根粒菌から大気中の窒素を固定して硝酸塩などに転換した栄養分を分けてもらいます。こうした,細菌や菌類など微生物との共生は人の人体の中でも行われています。非常に興味深いです。人体には500種を超える細菌が存在していて,その細胞の数は合計で100兆以上になるといいます。これは人体のおよそ10倍の細胞数です。人も植物も無数の生物と共生しています。それも想像を遥かに超える壮大な数の生物と連携しています。面白い世界です。

休憩タイム 14:05(10分休憩)

○講義第2部の感想
第2部では,植物の栄養素の話しから始まりました。植物は炭素C,酸素O,水素H,の3つの元素から重量のだいたい96%を構成しています。また,この3元素は光合成によって獲得されます。植物は光合成を行うことで,空気中の二酸化炭素と根から吸い上げた水を原料にして,デンプンやブドウ糖など炭水化物を合成しています。岩石や砂,鉱物や金属のことを無機物といい,炭水化物やタンパク質など,生物が作り出す化学物質のことを,有機物といいます。私はプランツアカデミーの授業をきかっけに,始めて有機物が何か知りました。それまで有機栽培など有機という言葉を耳にはしていましたが,なんのことかちゃんと理解していませんでした。有機肥料というのは,生物由来の化学物質である有機物が含まれた自然肥料のことを指します。
この話しで面白いのは,「地球上で植物だけが自給自足で自分の体を作り上げて,有機物をつくることができる」という点です。生態系の話しでは,こうした植物のことを生産者と言います。生態系の中で「独自に栄養分をつくれるのは植物だけ」ということが重要です。これに対して,微生物や動物は,植物が用意してくれた有機物や,ほかの動物を栄養分として摂り込まなければ生きられない従属栄養生物です。動物や微生物は多くの有機物を栄養として体内に摂り込み,それを無機物に変える時に得られる化学エネルギーで生活しています。こうした,有機物を生み出す植物(生産者),有機物を食べて暮らす動物(消費者),生きるためのエネルギーを得るために有機物を分解する微生物(分解者)の循環が生物社会を成り立たせる物質的基盤になっています。このことは人が今考えるべきエネルギー問題や,リサイクル問題,食糧問題にとってとても重要だと思います。

今日の話しではジョン先生は,自分に影響を与えた人たちを紹介していました。特に,心に残ったのは,ツバ山に住んでいる叔母さんの話しでした。彼女にジョン先生が,そばの種を撒く時期はこの辺りだといつ頃ですか?と聞くと,その月の最初に雨が降った日だと答え,収穫する時はあの木の白い花が散った頃だと答えます。それが自然に生きる事だと思ったそうです。日にちじゃない。いつ植えるかという情報は目の前に広がっていて,自然が教本です。それは,誰でも読めるはずです。だけどいつしかマニュアルに慣れてしまった人間はその読み方を忘れてしまいました。こうした情報化できないものが忘れられやすく,それは情報化社会にとってとても致命的なのかもしれないと思いました。
最後にジョン先生は,「東京の人たちは今日紹介した自然の中で暮らす人たちの人生を知らない。自然を知らない。だから私は授業をやります。植物だけが土を豊かにして,綺麗にします。水を綺麗にします。だから私たちは種を撒かないといけない。」と言っていました。私もそう思います。

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休憩タイム 15:25(10分休憩)

○講義第3部の感想
講義第3部は渡邊先生の講義でした。今日は多感作用(アレロパシー)の話しから始まりました。アレロパシーとは,植物に含まれる天然の化学物質が他の生物の成育を阻害したり促進したりする。あるいはその他の何らかの影響を他の生物に及ぼす現象を意味し,ここで作用する物質を多感物質(アレロケミカル)と呼ぶそうです。アレロパシーは自然界では植物間や植物と他の生物間の相互作用に関与し,種の生存や群落の維持に関与していると考えられています。農業では,アレロケミカルを使って雑草や病害虫の防除が期待されています。

その他の話しに,トウモロコシの澱粉がタブレット(錠剤)に使われている話しや,ピーナッツの皮をタバコのフィルターに使われている話しがありました。