オーガニックアドバイザー1

オーガニック・アドバイザー認定講座:第1回

日 時:2012年1月8日(日) 13:00~16:00

場 所:マルニ高知店2F COMOサロン

[プログラム]

13:00  開会あいさつ 高知工科大学地域連携機構・教授 渡邊高志

講義 日本オーガニック推進協議会・理事長 山崎泉

講義 Plants Academy校長 稲垣典年

カリキュラムについて

オーガニックを学ぶにあたっての基礎知識を学ぶカリキュラムの内容は、下記1)~7)になります。
1)オーガニックアドバイザーとしての心構え『オーガニック』の背景にあるもの
2)有害化学物質とは
3)生物濃縮とは
4)新たな脅威― 「環境ホルモン」
4)界面活性剤も環境ホルモン
5)有害化学物質の代表は農薬
6)農薬、化学肥料多用の反省に立つオーガニック
7)食品だけではない「オーガニック」。

受講者は、講義後レポートの提出が必要になります。次回の講義前または講師へのメールでの提出が必修です。講義内容の理解度を深める為のレポートですが,参加された受講者の皆さまからは,ご自分で調べてまとめられた解答もあり大変関心を寄せていることが伺えます。本講義は,なぜオーガニック生産を促進していかなければならないかに繋がっていく大切な部分になります。また,食物連鎖による生物濃縮を経ながらPOPs (有害化学物質)が濃縮され、地球上の食物連鎖の上位に位置する動物群に重大な奇形や健康障害があらわれるのです。健康や環境に悪い影響を与えるものに有害化学物質などがあり,現在までに解っている化学物質の総数は2009 年時点で5,000 万と考えられ,その中で有害とされるものは約1,500 物質とされています。講義の中では,オーガニックの身近な疑問について質問形式で説いていきます。(渡邊記)

高知工科大学渡邊高志教授

高知工科大学渡邊高志教授

受講者の感想

「オーガニックアドバイザー講座 第1章 を受講して」
オーガニックという言葉を最近よく耳にします。自然の力で作られたものというイメージがありますが、多くの人が言葉は聞いたことがあっても、詳しくは説明できないのではないでしょうか。
オーガニックアドバイザーとは、衣・食・住に関わるオーガニックの基礎知識を身につけ、健康で安心・安全な暮らし全般のアドバイスができる人のことを言います。
今、アトピーや花粉症など昔はなかった病気や症状が増え続けています。いろいろな化学製品が出回っているなかで、私たちは知らず知らずのうちに体に悪いものを使い、併用することで新しい病気を生み出しているのです。農薬をはじめとする有害な化学物質から私たちの身を守るためにも、オーガニックに対する知識はますます重要なものになってきています。
今回の講座では、国内におけるオーガニックの基準である有機JASの理解から、オーガニックを学ぶにあたっての基礎知識を学びました。

講師:日本オーガニック推進協議会の理事長、山崎泉氏

講師:日本オーガニック推進協議会の理事長、山崎泉氏

オーガニックの背景には、有害化学物質の厄介な性質があります。有害化学物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)や農薬のDDTが、先進国で既に使用禁止になって数十年経ってから、遠く離れた北極圏の哺乳類の体内から高濃度で発見されたという事例があります。高濃度の有害物質を取り込んでしまった生物は、免疫力が低下したり、雌雄同体の個体や奇形児が生まれたりと、事態はかなり深刻です。都市圏から離れ、環境汚染とは無縁の北極圏に生息する生物たちに、このような異常が見られるということは、温暖化と同様に、私たちに地球規模で環境問題を本気で考えなければならないということを警告しています。
有害化学物質は、自然環境で分解されず、また大気や海水に混じって地球規模で移動し、そして生物の脂肪組織に濃縮されやすいという性質を持っています。そのため、弱肉強食の食物連鎖の頂点にいる生物に、最終的に濃縮された有害物質が取り込まれ、大きな被害を与えるのです。

講師:Plants Academyの校長、稲垣典年氏

講師:Plants Academyの校長、稲垣典年氏

農薬は工場だけで使われるのではなく、実は私たちの毎日の食事の中にも入り込んでいます。メチル水銀は日本国内で使用されなかったものの種子の農薬(殺菌剤)として利用された結果、地球規模で見ると川や湖でしばしば発見されます。これは魚やそれを補食する私たち人間など他の生物に深刻な健康被害をもたらすので、厚生労働省でも妊婦へは魚介類の節食をするように呼びかけています。
農薬だけではなく、合成化学肥料も合成化学物質でできています。自然界にはなかったものを私たちが作り出してしまったために、それが分解されず、私たちの体内や周りの環境に残留し続けているのです。
第二次世界大戦で世界は食糧難に見舞われ、人口が急激に増加したことから、効率的な農業が求められました。しかし、化学的に合成された農薬や肥料が使われるようになると、農業は環境を破壊する産業へと変わってしまいました。農薬は、病害虫や雑草などの防除などを目的として農作物に散布されますが、目的とした作用を発揮した後なくなるわけではありません。作物に付着した農薬が収穫された農作物に移ったり、農薬が残っている農作物が家畜の飼料として利用され、ミルクや食肉を通じて人の口に入る事もあります。このようにして、農薬は多くの野生生物や人にも被害をもたらしたため、徐々に農薬や化学肥料を一切使わない現在の「オーガニック農法」が世界各国に広がってきました。

受講者のみなさん

受講者のみなさん

オーガニックという言葉は、元々はギリシャ語のorganから派生した言葉で「内臓、器官」を意味しますが、それが転じて「生命体の」という意味を持つようになりました。オーガニック農法が誕生してからは、環境に負荷をかけない農業と健康に配慮したものを示す使われ方もされるようになりました。日本語に訳すと「有機」となります。
正しいオーガニック商品には、登録認定機関という第三者機関が、その生産や製造方法が有機JAS規格を守って作られたことを認証する「有機JASマーク」というマークがついています。オーガニック農法によって生産される農産物は、食べ物だけではありません。衣類や化粧品の多くも、綿やハーブなどの農産物から作られています。商品を選ぶ際に、このマークがついていれば、安心・安全だと考えてよいので、正しいオーガニック商品を選ぶのは、実はそんなに難しいことではないのです。
オーガニック商品は他の商品より値段が高めだと感じるかと思います。それは、商品の値段の大部分が輸送費にかかっているためです。ヨーロッパやアメリカなどでは農業のおよそ20%前後が有機農業になっていますが、日本は2010年時点で有機農業は全農地のわずか0.19%しかありません。消費者がオーガニックを支持すれば、日本のオーガニック生産者も増え、安心・安全な食物も安く手に入れることができるようになるでしょう。

私たちのこれからの日本を、そして地球全体の環境問題や人類の健康を考えていくためにも、オーガニック農法は大変重要なことなのだと感じました。(受講者(渡邊研)記)

講義終了後の薬膳料理の試食会

講義終了後の薬膳料理の試食会