財務会計研究室

【室長 村瀬儀祐教授 村瀬教授退任により平成26年度末をもって終了】

地域の振興に欠かせないマネジメント会計

計画・実行・評価の会計システム

マネジメントは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(是正行動) のサイクルのもとに展開する。会計は、情報システムとして、このサイクルと結びつき、このサイクルを促進させる機能をもつ。
Plan(計画)の会計では、戦略設定のもと、長期、短期の予算をたて、損益分岐点等の分析が行われる。事業への投資戦略は、資本市場から必要とされるリターン(資本コスト)以上のものが得られるものにしなければならない。そして投資戦略を支えるべく、できるだけ低い資本コストとなるよう、財務戦略が立てられる。Do(実行)の会計では、複式簿記と原価計算の記録システムが運用される。Check(評価)、Action(是正行動)の会計では、経営分析と監査、内部統制がなされ、創出された企業価値の評価と価値形成ドライバーの発見がなされ、次の計画設定に向けた改善策が立てられる。
このような働きをもつ会計のシステムは、地域の産業振興の上からも、これまでになく必要なものとなっている。

地域の事業の価値を高める

地域の産業は、今大きく変わろうとしている。
「生産したものを市場に押し出す」伝統的な農業は、「市場の多様な二一ズを取り込むマーケット・イン」の農業へと変わらなければならない。また高知県の産業で中心をなしていた建設業や土木事業は、公共事業の激変のなか、大きく様変わりを迫られている。新しい事業の創出に向けて、事業者が多様な連携関係を構築し、力を合わせ行動し、地域における企業と組織の価値を高めることが必要になっている。そのためにも会計情報が十分に活用されなければならな い。

計画・実行・評価の会計システムの学習と活用によって地域の価値を高める

地域の産業を興し、活力を生みだすためには、計画・実行・評価の会計システムの学習とそれをわがものとした活用がされなければならない。決まり切った解答を求めるような計算問題の学習ではなく、不確実で大きく変化する事業環境のなかで、いかに資本コストを上回るリターンを獲得して事業の価値を高めるか、奮闘する会計の学習と事業への応用が求められている。

研究室長から

地域連携機構では、新しく「財務会計研究室」が設けられました。計画・実 行・評価の会計についての知識の普及、活用をもって、また相談業務をつうじて、地域連携の向上に役立たせようとするものです。地域のみなさんのご利用を期待しております。