高知工科大学紀要 第14巻1号 2017.8.31 より

藤原 匠, 赤塚 慎, 高木方隆
要約 高知県香美市土佐山田町中後入地区にある金峯神社周辺の森林のボクセルモデルを構築した。ボクセルモデルとは、三次元空間の微小立方体で区切り、それぞれの微小立方体に属性値を付与したデータモデルである。森林のボクセルモデルは、森林の表面形状、内部構造、地盤形状を表現することができ、森林バイオマスの推定や林床部の日射量推定への利用が期待できる。本研究では、回転翼型無人航空機で上空から撮影した画像及び地上においてデジタルカメラで撮影した画像から SfM(Structure from Motion)により得られた点群データと、地上型 LiDAR(Light Detection And Ranging)による計測から得られた点群データとを統合し、ボクセルモデルを作成した。今回はボクセルサイズを 10 cm とし、ボクセルの中心位置の座標、各ボクセルに含まれる点群データの RGB の平均値、ボクセル内の点群数を各ボクセルの属性データとして付与した。今後は、作成した森林のボクセルモデルを用いて、金峯神社周辺の日射環境のシミュレーションを行い、さらに植物の自生環境の解析に繋げていく予定である。