里山におけるインフラサウンドと気象の観測

高知工科大学紀要 第18巻1号 2021.12.28 より

山崎将滉, 山本大誠, 赤塚慎, 山本真行

要約 本研究では高知県香美市にある里山において林地内外のインフラサウンド(可聴下の超低周波音)と気象環境の実測調査を行った。今年度の調査では、林内温湿度計を新たに追加し、周辺環境の異なる林地内の気象環境を測定した。また、インフラサウンドセンサを設置し、インフラサウンドの測定も行った。林地内外の気象観測データを比較し、インフラサウンドとの比較をすることで異なる周辺環境での気象環境の傾向やインフラサウンドとの関連性について分析した。
林地内外の気象観測データを比較したところ、伐採前後で林地内の気象環境が変化していることがわかった。また、数10 mの標高の違いであれば標高よりも日当たり等の周辺環境の影響が大きくなることが示唆された。
気象観測データとインフラサウンドとの比較では、風速とインフラサウンドの間で0.4 程度の弱い正の相関がみられた。雨量との比較では有意な相関は見ることが出来なかった。またLow Frequency(LF)帯インフラサウンド(0.1 Hz 以下)から寒冷前線の通過の影響とみられる特徴的な増大波形を検出することが出来た。

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