近代農家建築の実測調査と改修のための課題

高知工科大学紀要 第13 巻1号 2016.7.29 より

河田浩太朗, 宮川馨平, 溝渕博彦, 高木方隆, 吉田 晋

要約 高知工科大学大学院工学研究科基盤工学専攻社会システム工学コースでは、高知県土佐山田町佐岡地区を対象地域として、科学技術をベースとした里山の再生手法と信頼できるコミュニティ拡大手法を現実の社会に実装することを目的とするプロジェクトをスタートさせた。今年度は里山再生の拠点となる古民家とその周辺の農林地の資産や資源の活用を目標とし、古民家やその周辺環境の一連の調査を行った。本報告では、当該古民家の劣化状況を把握し、活用方法を検討する為に古民家の視察と実測調査を行っている。古民家には経年劣化による激しい腐食が複数カ所見受けられたものの、伝統的な近代農家建築の様式がそのまま残されており、後世に継承すべき価値ある建築物だと判断した。今後は更に詳しい調査を踏まえた上で、コスト面、作業面で効率の良い改修方法や、歴史的な価値を十分に活かしきる建築的な提案が求められている。

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