高知工科大学紀要 第19巻1号 2023.5.1 より
滝野結公, 小池智哉, 島﨑幹生, 吉田朋恵, 村井亮介
要約 本研究は古くからある草木染め技術を見直し、将来の衣類製造等における環境負荷低減を目指して行なった。草木染め技術に対して、過去の状況や推移を調査する文献調査を行ない、将来の展望を示すために抗菌作用の検証実験および耐光堅牢度の両者に対して実験を行なった。歴史的な文献を調査したところ草木染めが衰退した原因として、化学染料の誕生と国産化の成功があると推測できた。将来性については実験をふたつした。草木染めの特徴のひとつである抗菌性の実験では、本研究の範囲では抗菌性を確認することができなかった。一方の草木染めの評価基準である耐光堅牢度(紫外線に対する色持ち)の低さについて、定量的な定義はできなかったものの実験によって確認することができた。