高知工科大学紀要 第18巻1号 2021.12.28 より

西山和希, 廣田知大, 高木方隆, 菊池豊
要約 本稿は高知県香美市土佐山田町佐岡研究フィールドにおける水路に着目し、年間を通して豊富な水量に恵まれる水路を利用した水力発電機によるLED ライトの点灯を調査した。佐岡地区の古民家付近では街灯などが無いため、夜間の通行が非常に困難であるという背景が存在する。そのため古民家付近に存在する水路をどうにか活用し、夜間にも通行を可能にするための誘導灯などの照明の設置を目指して光量の調査を行った。具体的には、水力発電機を備えた装置でサイフォンの原理を利用することにより、位置エネルギーを電力に変換する方法を行った。そして、設置した発電機から発生した電力によるLED ライトの点灯の有無や光り加減等を調査したものを本稿に記した。結果として、水力発電機二機によりLED の十分な光量を確保出来たと考えるが、設置箇所の景観を守りながら設置する方法や、水路に設置することに伴う落ち葉を吸い取む等の詰まりの発生等メンテナンス性に関して多くの問題は残ったが、改良していくことで夜間にも通行可能な誘導灯の実現が期待できると考えた。