佐岡地区里山研究フィールドにおける森林の保全と 自然環境のモデル化

高知工科大学紀要 第16巻1号 2019.7.31 より

高木方隆, 赤塚慎, 須内洸介

要約 「里山基盤科学技術の社会実装モデルプロジェクト(通称:佐岡プロジェクト)」は、2016 年度に始まった。今回は、森林の保全の一つとして御神木を対象に樹勢回復のための措置を行なった。2017 年 9 月に足場を組んで剪定を行い、樹勢の回復を待った。しかし台風による風で樹皮にヒビが入った影響により回復には至らなかった。2019 年 1 月、根元からの萌芽が認められた。今後はその育成策を構築しなければならない。
森林を維持するには定期的な間伐が必要とされ、人工林におけるその手法は確立されてきている。そのためには、森林における自然環境のモデル化を行い、時系列的な変化を追跡していかなければならない。今回は三次元レーザースキャナを用いて森林内部の樹木の状況をボクセルモデルで表現した。葉面積指数や幹材積、光合成有効放射量など様々なプロダクトの生成が可能となっている。
2019 年 2 月、森林ボランティア団体のメンバーにより、対象地域において間伐を実施した。それにより、林床部での日射量が非常に増大した。今後、間伐によって林床部での光合成有効放射量をシミュレートし、現地での検証を実施する予定である。

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