佐岡地区本村における歴史景観の調査 — 屋敷地の変遷から読み解く集落景観の特質 —

高知工科大学紀要 第15巻1号 2018.7.31 より

池内克徳, 藤原 駿, 渡辺菊眞, 楠瀬慶太

要約 本稿は、香美市土佐山田町の佐岡地区に位置する本村を対象に、その歴史的景観を調査・記
録したものである。歴史的景観を構成するものは地形、家屋群、土地利用の様態など、さまざまな
ものが考えられるが、ここでは屋敷地に焦点を当てて、その変遷から本村の集落景観の特質を読み
解く。歴史的景観の読み解きにあたっては 3 種の調査方法を採用している。まずは文献調査による
歴史学的調査法であり、次いでは地域の古老を対象に歴史的景観について聞き取りを行う民俗学的
調査法、最後に現存する建築を対象に、その空間的特質を現地調査から読み解く建築学的調査法で
ある。一つの領域の集落景観を複合的な手法で読み解くことで、1 視点からでは読み解き得ない総
合的・立体的な歴史的景観の考察を目指す。

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