佐岡中後入地区における水文環境

高知工科大学紀要 第15巻1号 2018.7.31 より

岡田 諒, 狭間弘菜, 細川壮司, 高木方隆

要約 高知工科大学院工学研究科基盤工学専攻社会システム工学コースでは、「心豊かな社会」の
実現をテーマに「里山基盤科学技術の社会実装モデルプロジェクト(通称:佐岡プロジェクト)」が
始動している。本報告では、地域の水資源の知見を深めるために、拠点となる古民家周辺の水文環
境の調査報告を取り挙げる。今回の調査の内容は、現地調査、ボーリング調査、地温測定調査であ
る。本調査より、対象地区周辺には複数の湿地帯があり、水資源が豊富な地域であることを確認で
きたが、ボーリング孔内で観測した地下水位の下降速度変化の原因や、地下水位と雨量、地質の関
係性については明らかにはならなかった。また、夏季・冬季の地温測定調査により、調査手法を習
得した。夏季は測定箇所不足となったが、冬季の観測結果より、地下水の影響を受ける場所を確認
できた。今後は夏季の地温測定調査を実施し、地下水脈の分布を明らかにすることと、ボーリング
孔内水位の下降速度の変化や、地下水位と雨量、地質の関係性も明らかにして、災害リスクの検討
や水資源の農業への活用に役立てることが求められている。

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